取材で訪れたのは4月。奈良県橿原(かしはら)市にある2ヘクタールの畑で、木谷さんは新しいブドウの苗木を植えている最中だった。なだらかに傾斜した斜面には、早くも初夏のような日差しが照り付けている。
木谷
「苗を植えて、ちょっとずつ芽が出だした時期ですね。芽を出すと根っこが生えてくるんで、芽が出る前に土に植えつけないと」
ここから6月までは目を離せない。7月に少しだけ間があり、そのあとは収穫、醸造、年末の販売まで一気に駆け抜ける。ワインづくりは、ブドウが実るときだけの仕事ではない。春に土へ差し込んだ陽光が、秋の実りになり、冬の瓶詰めにつながっていく。
畑ではアルバリーニョ、ピノ・ノワール、マスカット・ベーリーA、シャルドネなどの苗木が、仲間たちの手で一本ずつ植え付けられていた。奈良県にしてはまとまった広さだというこの畑に、木谷さんは昨年は1,000本、今年1,500本、来年もさらに1,000本の苗を植える予定だ。


























