夕方、奈良県橿原市の住宅街にあるクラフトビール醸造所に地元の人がふらりとやってくる。
月ごとにテーマの異なるできたてのIPAをタップルームで味わい、一息ついたら今晩の夕飯のお供に、地元でしか買えないハウスラガーを買って帰る。そんなゆったりとした光景が、このブルワリーの日常になりつつある。
「スペシャルハウスラガー」は、FARMENTRY(ファーメンタリー)の代表銘柄の1つだ。橿原の外には出さない。この土地で飲んでほしいビールだからである。
西崎
「地元の方に気軽に飲んでもらえる値段設計にしています。僕が“クラフトビール”という文化を好きになったのって、仲間でビールを注ぎ交わして楽しむ、そういう時間が入り口やったんですよね。その時間を一番体現してるのがこれなんです」
タップルームに隣接した元倉庫という鉄骨造りの製造所には、美しく磨かれた最新鋭の醸造設備と、「FARMENTRY」のロゴがクールに輝く巨大なタンクが並ぶ。
西崎
「この設備、商社を通さずに全部自分で設計して海外から直接輸入したんです。他のブルワリーの何分の1かのコンパクトな投資額ですけど、仕込みのキャパは十分。ここでしか飲めない、地元専用のスペシャルなビールをたっぷりつくれます」


































